バイトの労働時間に上限はあるの?基準や決まりについて徹底解説
2022.02.07
一般企業で「労働基準法を守った労働時間を推奨」などと聞くこともあるでしょう。
バイトをする人も、労働時間は他人事ではありません。
アルバイトでも労働時間や残業などにおけるルールがあります。
バイトでも労働時間に上限はあるものです。
知らずに働いていると、違法となることもあるので注意しましょう。
バイトの労働時間や残業におけるルール、休憩や有給休暇などにおける決まりについて解説します。
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アルバイトの労働時間はどれくらい?
アルバイトであっても、労働時間はきちんと守られなければなりません。
正社員だから、アルバイトだから、という雇用形態による違いはありません。
アルバイトだから時間に限りなく働いてもよい、ということはないのです。
勤務時間の把握は、毎月のシフト管理において最重要項目です。
アルバイトをするうえでも、正しい労働時間について把握しておきましょう。
アルバイトの法定労働時間の上限について解説していきます。
上限は原則1日8時間、週40時間
労働時間は、労働基準法32条で定められています。
法定労働時間はどの会社であっても「1日8時間」「週40時間」が原則です。
「所定労働時間」というものがあり混同しがちなのですが、法定労働時間と所定労働時間は異なるものです。
所定労働時間は「従業員と会社で契約した労働時間」のことであり、会社によって違います。
法定労働時間は法律で決められたもので、守らなければならない労働時間です。
法定労働時間を1分でも過ぎれば違法になるか?といえばそうではありません。
法定労働時間を超えた分は、法定時間外労働(残業)になります。
残業においても上限などのルールがあり、それを守れば違法とはなりません。
残業についてのルールについては後ほど詳しく説明します。
バイトの平均労働時間
アルバイトに多くの時間を使ってる大学生も多いものです。
旅行に行きたいから、自分で授業料を払いたいから、など理由はさまざまですが、大学生は週にどれくらいバイトをしているものなのでしょうか?
大学生が週にバイトする平均時間は、9.3時間(2016年文部科学省・国立教育政策研究所調べ)です。
この数字は、就活をしている大学生も含まれるので、就活をしていない学生はもっとバイトをしていると予想されます。
労働基準法では、基本的に労働時間は1日8時間、週40時間までと定められているため、週31時間働いている場合は8時間勤務を週4日でこなしているということです。
周りを見ても、常にバイトをしているという学生もいるのではないでしょうか?
もしかしたら自分に当てはまる人もいるかもしれません。
理由はいろいろあると考えられますが、学生の場合は学業との両立が大切です。
バイトと学業のバランスを考えてバイトをするようにしましょう。
休憩時間と休日の決まり
1日8時間労働の中に、休憩時間は含まれるのでしょうか?
休憩時間は仕事をしていない時間帯なので含まれないのでしょうか?
また、バイトに有給休暇はあるのでしょうか?
休憩時間も時給が発生すると思っていると、給料日に「思っていたより少ない」とあてが外れてしまいます。
そのようなことがないよう、休憩時間と休日に関する決まりごとについても把握しておく必要があるでしょう。
休憩時間と休日の決まりについて解説していきます。
休憩時間は時給に含まれるの?
仕事をするうえでの休憩時間について、労働基準法では次のように定められています。
「労働時間が6時間を超える場合は最低45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩を与えなければいけない」。
そのため、アルバイトも6時間以上の勤務のときには最低45分、8時間を超える勤務の場合は1時間以上の休憩を取る義務があります。
休憩時間はあくまで休憩なので、その間の時給は発生しません。
ただし、どんなに短い時間であっても電話や来客の対応などで、仕事をした場合は、休憩時間とは言いません。
休憩時間と言われている時間に仕事をすれば、時給が発生するということです。
休憩時間なのに「電話は出てください」などと言われても、時給が発生しない場合はそれを拒否することができます。
休憩時間に労働をしたのにそれが給料に含まれていない場合は、確認をしてみましょう。
バイトは有給がもらえるの?
バイトにも有給休暇が発生します。
有給休暇は会社に就職した正社員や契約社員などが取るものでアルバイトには関係ない、と思っている人もいるでしょう。
しかし、それは誤解です。バイトにも有給休暇は発生します。
週に4日働いているなら、働き始めて半年で7日分の有給休暇が発生します。
フルタイムで働く場合は、10日の有給休暇が発生するのです。
有給休暇だから給料が少ないということはなく、いつも通りの給料分が支払われます。
最初の有給休暇発生後、1年ごとに有給休暇は発生しますが、2年ごとに失効してしまうので、なくなってしまう前にお休みを取りましょう。
労働時間の上限を超えてしまったら違反?
1日8時間、週40時間という法定労働時間は原則として定められているものです。
この時間を超えたから即違反、違法、罰則、とはなりません。
法定労働時間を超えた場合は、「法定時間外労働」といって、残業扱いになります。
残業にもルールがあります。
違法とならないよう、残業時間について把握しておきましょう。
上限を超えた際の給料
残業となった場合は、法定労働時間内の給料の割増となります。
どれくらいかというと、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられています。
午後10時以降、翌朝午前5時までの間に働く「深夜業」は通常の25%以上、法律で定められた休日に働く「休日労働」でも通常の35%以上と、それぞれ割増賃金が発生するので注意しましょう。
もし時間外労働が深夜になった場合は、25%+25%となり、合計50%の割増分の給料が出るということです。
ただし税金も高くなる点を理解しておく必要があります。
バイトをしている学生などは、親の扶養になっている場合が多いでしょう。
その際、バイトで年間103万円以上の収入があった場合、扶養者控除が適用されないため、親が払う税金が高くなります。
大学生は高校生よりも控除額が高く設定されているので、控除の適用がなくなると家計にも影響します。
家族と相談しながら勤務時間を検討しましょう。
法定内残業時間
残業には2種類あり、その一つが「法定内残業時間」です。
「法定内残業時間」とは、「所定労働時間」は超えているが、「法定労働時間」は超えていない残業のことを指します。
雇用契約における所定労働時間を超えていても、法定労働時間を超えていない場合は割増賃金は発生しません。
例えば、シフトが4時間で、1時間の残業をお願いしたとします。
労働時間は5時間で法定労働時間を超えていないので、残業の割増にはなりません。
法定外残業時間
「法定外残業時間」は、「法定労働時間」を超える残業です。
法定労働時間以上、つまり残業をする場合は、労働基準法に基づく36協定(労使協定)を締結しなければなりません。
法定時間外労働には、原則1ヶ月45時間、1年で360時間を超えないこと、といったルールがあるので、違法とならないよう自分でも管理しましょう。
掛け持ちバイトの労働時間の上限
大学生では掛け持ちでバイトをするケースも少なくありません。
掛け持ちでバイトをしていたとしても、法定労働時間は変わることはありません。
時間の計算はそれぞれのバイト先ではなく、合計時間です。
もしも2つのバイト先で働いていた場合、両方の勤務時間を計算して合計週40時間までの勤務でなければなりません。
掛け持ちしている場合は時間外労働になりやすいため注意が必要です。
バイトや学業など忙しくしていると、自分がどれくらいの時間バイトをしているかがわからなくなるもの。
もし違反となるような勤務をしていれば勤務先に迷惑がかかります。
掛け持ちをしていること、働く時間についてなどは勤務先に報告しておくことが大切です。
18歳未満の場合の労働時間
高校生でもバイトをすることがあります。
18歳未満の「年少者」の場合は一般労働者とは異なる法律があるので把握しておきましょう。
18歳未満の場合、労働時間、休憩時間、休日については、上記の一般労働者と同じです。
ただし、深夜に働く際には注意が必要となります。
18歳未満の場合、原則として午後10時から翌日午前5時までは仕事をすることができません。
18歳未満の深夜勤務は法律で禁止されています。時間外労働、残業をすること、休日労働することも禁止されています。
また、高校生の場合、校則の確認も必要です。
年齢を問わずアルバイトを禁止したり、制限したりしているケースがあります。
原則バイトは禁止でも許可が下りれば可能、という場合もあります。
バイトOKの学校でも、届け出などが必要な場合もあるので、必ず確認するようにしましょう。
労働時間に関する決まりを理解した上でバイトを選ぼう
アルバイトでも労働時間にはルールがあります。
特に学生は法律を守るだけでなく、学業もしっかり行う必要があります。
バイトで稼げば学費をまかなえたり、好きなものを購入したりできるでしょう。
しかし、学業が本分だと忘れてはいけません。
そのためにも、法に触れるような労働時間を強いられるバイト先は選ばないことが大切です。
自分でも労働時間に関する決まりを理解したうえで、休憩時間や有給休暇などについてもしっかり説明をしてくれて、守ってくれるバイト先を選びましょう。
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