ブラックバイトの特徴とは?高校生にもできる相談方法も解説
2022.03.14
バイトを始めるなら、働きやすさは気になるものです。
とくに注意したいのは、ブラックバイトではないでしょうか。
名前を知っている人は多くいますが、具体的にどのような職場がブラックバイトなのかわからない人もいるでしょう。
ブラックバイトの特徴と、高校生でも相談できる解決法を紹介します。
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ブラックバイトの定義を解説
学生にとってのブラックバイトとは、学生らしい生活が送れないバイトのことです。
たとえば、勤務時間が長すぎて授業に出る時間がない、休みが十分に取れず授業に影響するなどでしょう。
ブラックバイトに当たってしまうと、正社員並みに働かされる恐れがあります。
バイトとは思えないほど勤務時間が長く、まともに休日が取れないこともあるでしょう。
または、人手不足を理由にシフトを強制的に組まれてしまい、授業や課外活動に参加できない場合もあります。
注意したいのは、ブラックバイトは違法性の可能性があることです。労働基準法に違反した働かせ方のことも少なくありません。
学生は法的な事情に詳しくない人が多いため、雇用者はバレないと思っている場合もあるでしょう。
ブラックバイトの特徴あるある
ブラックバイトに当たってしまうと、働く側の都合は考えてくれません。
働く側の負担が大きくなってしまえば、違法性が高く労働問題だともいえます。
次に紹介する項目に当てはまっているなら、ブラックバイトの可能性があるため注意してください。
違法な長時間労働
労働基準法では、1日8時間・週40時間までの基準があります。
バイトの勤務時間がこの時間より長い場合は、労働基準法違反です。
求人欄に記載する勤務時間は法に従った内容でも、実際に働いてみると長時間労働のことがあるため注意してください。
また、この時間を超えて働かせる場合は、36協定を結ばなければなりません。
36協定を結ぶためには、労働基準監督署への届け出が必須で、割増賃金を支払う必要があります。
もし、36協定を結んでいる場合でも労働時間には制限があり、1か月45時間を超えて労働することはできない決まりです。
サービス残業が常態化
サービス残業とは、賃金が支払われない業務のことです。
たとえば、タイムカードを押した後に働かされるケースや、残業はタイムカードを押さないことが暗黙の了解になっている場合です。
サービス残業が当たり前になっている職場では、賃金を支払わない理由を従業員のせいにしていることが少なくありません。
「お前のせいで仕事が終わらない」「ミスしたのはお前」など難癖付けてくるでしょう。
従業員のせいにしてサービス残業を強いることは認められていません。
1日8時間・週40時間を超えた場合、または22時~5時までの勤務は割増賃金を支払わなければなりません。
準備の時間が勤務時間に反映されない
注意したいのは、使用者からの指示があれば、着替え時間も労働時間に含まれる点です。
制服のあるバイトでは、お店に出る前に着替えなければなりません。
出社時ではなく、着替えてからタイムカードを押すよう指示されるなら注意が必要です。
また、業務上必要な開店準備や清掃も、当然ですが勤務時間に含まれています。
お店によっては、開店から1時間前に出社することもあるでしょう。
このようなケースで開店してからタイムカードを押すように指示されていれば違法です。
シフト外の急な呼び出しがよくある
ギリギリのスタッフで営業している場合では、誰かが急に休んだ際に代わりの人に連絡が来ることはあるでしょう。
しかし、代わりに出て欲しいと言われても、強制することはできません。
ブラックバイトの場合は、学校の授業に支障があると説明しても、強制的に出社させようとするでしょう。
人手が足りないなら雇用者は別の人を雇うべきですが、あえてそうしないケースもあります。
スタッフを増やせば人件費がかかるため、少ない人材で回そうとするお店などでよくある問題です。
労災保険の未加入
バイトであっても、すべての従業員は労災加入の義務があります。
労災は、従業員が業務中に怪我や病気をした際に給付金が受け取れる制度です。
バイト・パートなど雇用形態による区別はされていないため注意してください。
とくに悪質なのは、会社の方針でバイトに労災をかけないケースです。
労災加入では会社側が費用を負担するため、それさえも支払いたくないのでしょう。
うっかり加入漏れがあるなら指摘すればいいだけですが、会社の意向の場合は問題があります。
辞める意思表示を受け入れない
期間の定めがない場合で、14日前に退職の通知をすれば、自由にバイトを辞めることができます。
しかし、ブラックバイトは退職届自体を受け取らないことがあるでしょう。
「代わりの人を探さないと辞めさせない」「勝手に辞めたら損害賠償を請求する」などと脅すケースもあります。
代わりの人を探すのは雇用者のほうです。バイトが善意で代わりの人を紹介することはありますが、強制されるものではありません。
また、人手が足りない場合で、14日以上働いて欲しいと頼まれても、了承するか断るかはバイトをする側の自由です。
嫌がらせ行為がある
勤務時間・労災の未加入・退職について異議を申し立ても、ブラックバイトでは嫌がらせを受ける場合があります。
相手も法的に強制できないことを理解しており、代わりに肉体的・精神的苦痛を与えてくる場合があるでしょう。
「バイトは口出しするな」と一方的に拒絶するケースや、仕事を与えてもらえないケースもあります。
または、1人だけキツイ仕事をさせられることもあるでしょう。これらの行為はパワハラに当たるため、違法性が高くなります。
職場の立場を利用して一方的に押し付けられる場合は、ブラックバイトの可能性があります。
売れ残りの買い取り強要
ブラックバイトでは、罰金・買取・弁償などをさせられる場合があるでしょう。
たとえば、弁償では、レジのお金が合わなかったときに、バイトに差額分を支払わせようとします。
または、売れ残り商品を無理やり買わせるケースもあります。
罰金では、遅刻や仕事のミスで支払わされるなどです。
どの行為も違法なため、強制させられそうになったら断ることができます。
従業員が大きなミスを何度もしており、何度注意して改善できなくても強制はできません。
罰金を科せる場合は、就業規則に明確な記載がなければなりません。
仕事に使用する道具を実費で購入させる
仕事に必要な道具を負担する場合は、労働規約に記載が必要です(労働基準法第15条第1項 前段、労働基準法施行規則第5条第1項第6号、89条第5号)。
たとえば、お店で着用する制服を購入するケースがあるでしょう。
記載があれば、従業員に業務上必要な物品を購入させることは違法ではありません。
その場合は、労働基準法第24条に定めがあるように、通貨での支払いが必要です。
賃金から天引きするときは、その旨が記載されていなければなりません。
もし、労働契約や就業規則に記載がないのに、無理やり道具を購入させようとする場合は違法になります。
記載がなければ、従業員は断ることができるため確認しましょう。
また、強制的に賃金から天引きされるときは、雇用者に返還を求めてください。
強制的なミーティング
ミーティング時間が労働時間に含まれていない場合は違法です。
労働基準法によると、ミーティング時間は「労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間」とされています。
つまり、労働基準法の労働時間に含まれるため、賃金を支払わないのに強制的にミーティングに参加させる行為は違法となります。
たとえば、塾講師のバイトでは事前のミーティングが不可欠です。
事前に授業内容の打ち合わせや、生徒に合わせた教育方針の話し合いが必要になるでしょう。
しかし、授業時間しか賃金が支払われていない場合には注意してください。
必要書類を提示しない
職場がブラックバイトなのか気になったら、労働条件通知書や雇用契約書を見せてもらいましょう。
もし、バイト先から見せられないと言われたら、雇用者に知られたくない情報がある場合や、極端に情報が少ない可能性があります。
労働条件通知書は、労働基準法に定められた書類で、労働契約で明示すべき内容が含まれています。
また、雇用契約書は、事業者用と雇用者用の2部を作成するものです。
雇用契約は口約束だけでも成立するため、雇用契約書のない場合があります。
ただし、バイトであっても労働条件通知書は必要なため確認してください。
実際に書類を確認してみると、具体的な労働や賃金の条件が書かれていないことがあります。
記載がなければ会社に訴えても泣き寝入りしなければなりません。
ブラックバイトを避けたいときは、書類の提示を求めるといいでしょう。
面接の際にブラックバイトか見極める方法
ブラックバイトかは、実際に働いてみないと判明しないことが多いでしょう。
しかし、ブラックバイトの特徴を理解しておけば、事前に見抜けることがあります。
いろいろな確認方法があるので、職場の雇用状況が気になるときは、次に紹介する方法で確認してみてください。
求人に書かれている内容のチェック
求人掲載欄に書かれている情報を見るだけでも、ブラックバイトか判断できるでしょう。
ブラックバイトでよくあるフレーズは以下のものです。
・アットホームな職場
・スタッフが協力し合う職場
・やりがいのある職場
・プライベートでも仲良しです
どのフレーズも、一見するとポジティブな内容です。
しかし、職場の雰囲気はわかりますが、仕事内容は示していない点に注意してください。
もしかしたら、仕事内容がきつ過ぎて具体的な内容が書けないのかもしれません。
これらのフレーズがあっても問題はありませんが、働きやすさだけが目立っている場合に注意してください。
世の中には「やりがい搾取」という言葉があるように、本来支払うべき賃金以上の労働をさせられるケースがあります。
客として実際に利用してみる
気になるお店があったら、実際に自分がお客として訪問してください。
お店では、従業員が助け合っているかどうか、店長が怒鳴っていないか注意しましょう。
お客として接している分には問題なくても、自分より下の立場の従業員に対し態度が変わる従業員や店長に注意が必要です。
このような職場では、上司にミスがあっても、立場の低い人に押し付けてくる可能性があります。
面接時に職務内容や給与の話が曖昧ではないか確認
ブラックバイトであるかは、面接時の対応でも判断できます。
面接時に仕事内容や待遇を丁寧に説明してくれるなら、安心して働くことができるでしょう。
逆に「働いてから確認して」などいい加減な対応や、はぐらかされる対応なら避けておくのが無難です。
面接時にとくに聞いておきたいのは、勤務条件です。
短期での雇用なら、本当に短期で辞められるのか確認しておきましょう。
また、賃金・勤務時間・休憩時間・契約期間なども確認しておきたいポイントです。
また、採用された場合は、「労働条件通知書」の提出があるか確認してください。
労働条件に対して詳しく書かれた書類で、会社は労働者に渡す義務があります。
書類に書かれている内容と、面接時の説明に食い違いがあるなら、その時点で断ることも大切です。
ブラックバイトの相談方法
自分の職場がブラックバイトだった場合は、どうすればいいのでしょうか。
バイトだと労働条件が悪くても、立場の違いから相手に言えないことがあります。
このような場合では、一人で悩まず専門機関に相談してください。
総合労働相談コーナー
全国の労働局や労働基準監督署には、総合労働相談コーナーがあります。
労働者すべてが相談できる場所で、バイトでも利用することが可能です。
相談コーナーでは相談はもちろん、助言や指導などもあるため安心です。
自分で解決できない問題があるときは、委員が加入したあっせん手続きの対応もあります。
労働基準監督署
企業が労働基準法を守っているか監督する機関が労働基準監督署です。
労働基準法に違反するバイト先だった場合に相談先として選んでください。
申告をすると、労働基準監督官が事業所へ聞き取り調査や立ち入り調査をしてくれます。
もし違反しているなら、改善指導がされるため活用してください。
ブラックバイトユニオン
ユニオンとは、労働組合のことです。労働組合は加入している従業員だけでなく、個人が加入できるものもあります。
ブラックバイトユニオンもあるため、相談しやすいでしょう。
相談は、ブラックユニオンのお問い合わせフォームが利用できます。
直接専門機関に出向く方法ではないため、学生でもハードルが低い方法です。
弁護士
専門機関の相談でも改善できない問題や、問題が深刻な場合は弁護士への相談も考慮しましょう。
弁護士に依頼すると費用がかかりますが、相談無料のところもあります。
どの弁護士に依頼していいのかわからないときは、無料相談が利用できる法テラスを活用する方法もおすすめです。
ブラックバイトか見極めてから働こう
これからバイトを探すなら、ブラックバイトを避けるようにしましょう。
紹介した内容を把握しておけば、応募の際にブラックバイトだと判断しやすくなります。
もし、現在勤めているバイト先がブラックバイトではないかと感じたら、専門機関に相談するようにしてください。
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