扶養の枠に引っかからないためには?バイトの働き方を紹介
- #扶養控除
2021.07.27
学生のバイトや、主婦のパートだと扶養の枠が気になるでしょう。
しかし、扶養を初めて知った人は、複雑でわかりにくいと感じるかもしれません。
この記事では、扶養控除を受けるポイントを紹介します。扶養の基礎知識から、扶養控除でどのくらいお得になるのか解説していきます。
バイトの働き方でお得にしたいと考えているなら、扶養の枠をしっかりチェックしておきましょう。
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扶養とは?扶養控除を受けるには?
扶養とは、家族を養う意味があります。
そして、扶養控除とは、家族を養っている人向け税金軽減のための制度のことです。
子供や親など家族を養っていると、その分の生活費が必要でしょう。
家族を養っている人が扶養控除を使うと、所得が減り税金を軽減できます。
扶養控除のボーダーラインは103万円?130万円?
扶養控除には、税法上と社会保険上の2タイプがあります。
それぞれで扶養控除のボーダーラインが異なるため、確認しておきましょう。
税法上の扶養控除対象は年収103万円以下
税法上の扶養控除対象となるのは、年収103万円以下の人です。
103万円の基準は、基礎控除48万円+給与所得控除55万円を足すと103万円だからです。
2020年の税制改定により、基礎控除が38万円から48万円に、給与所得控除が65万円から55万円に変更になりました。
合計金額は変わらないため、103万円を基準に考えておけば問題ありません。
社会保険上の扶養の対象は年収130万円未満
一方で社会保険上の扶養の対象は、年収130万円未満です。
社会保険は、配偶者や親など、被保険者が加入する健康保険や厚生年金の扶養に入る必要があります。
ただし、被扶養者がアルバイトで月8万8,000円以上の収入があると扶養の範囲から外れるため、勤務先の社会保険に加入が必要です。
どんな人が扶養控除を受けられる?
税法上の扶養控除を適用できるのは、次のような条件の人です。
・配偶者以外の親族または養育委託された児童、養護委託された老人
・納税者と生計を一にしている
・年間所得が48万円以下、給与収入なら103万円以下
・青色申告者の事業専従者でない、白色申告者の事業専従者でない
また、対象者の年齢は16歳以上を示します。
税法上の扶養控除は、配偶者が対象外です。
対象は生計を一にしている6親等内の血族・3親等内の姻族親族、委託された扶養する児童・養護する老人が当てはまります。
生計が同じであれば、単身赴任中の父親や、自宅を離れて大学に通う子供も対象です。
なお対象者の年間所得は48万円以下、給与収入なら103万円以下が条件です。
青色事業専従者として給与を受け取っている、白色申告専従者として給与を受け取っている場合は、対象外となります。
また、ほかの親族の扶養に入ることはできませんので注意してください。
扶養親族の対象は16歳以上
扶養控除の対象年齢は、16歳以上であることを確認してください。
適用を受ける12月31日時点で、16歳以上でなければなりません。
16歳以上であれば年齢の上限はありませんが、年齢ごとに扶養控除額が異なります。
なお、年齢条件が16歳以上となっているのは、2011年の税制改正で16歳未満の扶養控除が廃止されたためです。
代わりに、現在は児童手当であるこども手当に移行しました。
扶養に入りながらバイトをしたい場合
学生がバイトをする際には、親の扶養に入ることを検討するでしょう。
親の扶養に入ったままなら、親の所得が減り税金を軽減することができるためです。
扶養内でバイトをするなら、次に紹介する内容に注意してください。
年収に要注意!103万円の壁
親の扶養に入りながらバイトを続けるなら、103万円がボーダーラインです。
バイト先から給与をもらっている場合、基礎控除48万円+給与所得控除55万円を足した103万円を超えないようにしましょう。
年間収入が103万円までなら、課税所得はないことになります。
103万円を超えないために知っておきたいこと
収入が103万円を超えないよう、バイト先に扶養内で働きたいと伝えましょう。
扶養内で働き方を調節してくれるバイト先は多数あります。
バイトを探す時は、「扶養内 バイト 東京」や「扶養内 バイト 大阪」などのキーワード入力がおすすめです。
地域の条件を加えると、扶養内で働きやすいバイト先がヒットしやすくなります。
求人概要に「扶養内」の言葉があれば、働き方を調節してくれる可能性が高くなります。
雇用主もそのつもりで雇っているため安心でしょう。
交通費は年収に入らない
交通費は年収に含めないようにします。
収入に含めないため、扶養の枠に影響することはありません。
ただし、交通費が月15万円以上の場合は、課税対象です。
また、日雇いバイトで支給される交通費も、収入に含めるようにしましょう。
交通費の規定にも細かい内容があるので、紹介した例に当てはまらない場合は、個別の調査がおすすめです。
年収の対象期間
年収をカウントする期間は、その年の1月1日~12月31日までです。
1ヶ月の収入
扶養控除内でバイトをしたいなら、月8万円以下に抑えましょう。
103万円を12で割ると8万円を超えますが、端数を含めないようにします。
端数を含めないのは、繁忙期で出勤日が多くなり、月収が増える月が出てくる恐れがあるためです。
または、ボーナスなど手当がつく月を考慮して、端数を切り捨てておくと安心です。
バイトを掛け持ちしている場合
バイトの掛け持ちをしている場合は、確定申告するケースがほとんどです。
年末調整できるのは原則1社までのため、2社以上のバイトは会社で税金の対応ができません。
ですから、バイトの掛け持ちをしているなら、自分で確定申告をしてください。
具体的にどのような対応なのかは、次のとおりです。
・年収103万円以下源泉徴収なし:追徴も還付もなし
・年収103万円以下源泉徴収あり:還付の可能性あり
・年収103万円超源泉徴収あり:追徴か還付可能性あり
・年収103万円超源泉徴収なし:納税が必要
バイトの掛け持ちでも合計103万円以下で、どこからも源泉徴収がなければ所得税の支払いも還付もないため、確定申告は不要です。
また、年収103万円以下で、1社でも源泉徴収があるなら、税金の還付の可能性が高いため、確定申告しましょう。
年収103万円以上になり、1社でも源泉徴収しているか、源泉徴収がまったくないなら、確定申告が必要です。
扶養範囲を超えてしまったら?
もし扶養範囲を超えてしまったら、扶養控除がなくなるため本人や親の税金が増える恐れがあります。
どうなるかは、超えた金額や本人の立場によって変わるため、確認が必要です。
具体的にどう変わるか、次の項目から具体的に解説していきます。
学生が受けられる「勤労学生控除」
バイトの年収が103万円を超えたら、勤労学生控除が使えるか考えてみましょう。
次に紹介する3つの条件をクリアできると、非課税枠が130万円まで拡大できます。
・勤労による所得があること
・合計所得65万円以下、勤労以外の所得10万円以下
・特定の学校に通う生徒であること
勤労学生控除の対象となると、2020年であれば基礎控除48万円+給与所得控除55万円+勤労学生控除27万円の合計130万円まで所得税が非課税になります。
あくまでもバイトをする学生本人の所得税がかからないという意味です。
「勤労学生控除」の注意点
勤労学生控除の対象でも、年収103万円を超えると親の扶養から外れるのは一緒です。
親の扶養から外れると、親の所得が増えるため納税額が増加するでしょう。
扶養控除の額は、16~18歳と23~69歳までは38万円です。19~23歳未満は63万円の扶養控除額があります。
バイトをする学生が親の扶養から外れると、親は38万円または63万円所得が増えるでしょう。
親の税金が増えれば、家庭全体の金銭負担が増加するため注意してください。
主婦・主夫が受けられる「配偶者控除」
主婦や主夫の場合は、配偶者控除で税金を軽減できます。
配偶者控除は、2018年より103万円から150万円へ拡大しました。
主婦や主夫の年収が150万円までなら、配偶者控除で家庭の税金を軽減できるでしょう。
また、年収201万円までの配偶者特別控除もあります。
主婦や主夫の年収が150万円を超えても、家庭の税金を軽減できる制度が利用可能です。
「配偶者控除」の注意点
配偶者控除とは、その名前のとおり配偶者を対象とした制度です。
控除は複数利用することはできないため、親の扶養に入っていると配偶者控除の対象外となるため注意してください。
また、配偶者控除の対象であっても、年収により社会保険料や住民税を負担する場合があります。
主婦や主夫が一定以上の収入を超えると、バイト先で社会保険に加入しなければなりません。
住民税も収入により負担する恐れがあるでしょう。
収入がバレない方法はある?
扶養の枠を活用したい場合、収入がバレなければいいと考えるかもしれません。
例えば、個人経営のお店で働いて、手渡しすればバレないと考える場合もあるでしょう。
収入をバレない方法があるのか、次の項目で具体的に解説していきます。
個人経営や給料が手渡しならバレない?
結論からいうと、収入がバレない方法はありません。
給料が手渡しであっても、お店側で帳簿をつけているからです。
税務署が調査することで、手渡しの収入も必ずわかるので注意しましょう。
また、年収103万円を超えると所得税が発生します。
源泉徴収されていなければ、自分で確定申告しなければなりません。
もし確定申告をしなければ脱税となるので注意が必要です。
扶養控除を受けるメリットとデメリット
最後に、扶養控除を受けるメリットとデメリットを紹介します。
もう一度、扶養控除を受けると得られることを確認しておきましょう。
扶養控除を受けるメリット
扶養控除を受けるメリットは、税金軽減になる点です。
年収103万円以下なら扶養控除に入る人の所得税が発生しません。
扶養する側も所得税や住民税の軽減になるでしょう。
また、社会保険の扶養に入ることで、保険料を支払わなくて済みます。
扶養者の健康保険に加入すれば、家庭での保険料軽減になるでしょう。
扶養控除を受けるデメリット
扶養控除を受けるデメリットは、高額療養費の面です。
所得税や住民税で損することはありませんが、医療費で損することがあります。
高額療養費制度を利用する場合の負担額は、納税者の年収で決まります。
そのため、扶養控除を受けるために年収を押さえると、医療費が高額になってしまうのです。
ただし、医療費控除による家庭の医療費軽減対策はできるため、確認しておきましょう。
扶養控除を上手に使ってお得にバイトしよう
バイトをするなら、扶養控除を上手く使って家庭の負担を軽減させましょう。
扶養控除が使えれば、扶養される側にも扶養する側にもメリットがあります。
バイトで扶養控除が受けられる収入の目安は、年収103万円です。
もし、103万円を超える場合でも、ほかの対策で家庭の負担を軽くする方法もあります。
幅広い方法を確認しながら、家庭にとって最適な働き方を選んでみてください。
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