バイトの最低賃金の種類と仕組みを徹底解説

    2022.03.08

    バイト 最低賃金 サムネイル バイト 最低賃金 サムネイル

    バイトをするなら、できるだけ時給が高いほうがいいでしょう。

    しかし、時給の知識がないと、本来もらえる金額より少なくなっていることがあります。

    バイトをする際には、最低賃金の知識を得ておいてください。

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    労働基準法に基づく最低賃金

    バイト 最低賃金 イメージ画像1

    最低賃金とは、国が定めた労働者賃金の最低額のことです。

    すべての労働者に適用される基準で、正社員・派遣社員・バイト・パートも関係してきます。

    また、高校生や大学生など労働者による違いもなく適用されます。
     

    求人では、最低賃金以下での募集はありません。

    もし、最低賃金以下で雇用契約を結んでいた場合は、法律により無効になります。

    働いている側は雇用者に対し、最低賃金との差額を請求することが可能です。

    国が定める最低賃金は変わることがあるため、毎年確認しましょう。
     

    ただし、最低賃金の基準は、「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があるため注意してください。

    それぞれ具体的にどのような基準なのか、次の項目から具体的に紹介していきます。


     

    地域別最低賃金

    最低賃金は、地域ごとに基準が変わります。

    アルバイトや正社員のような雇用形態に関わらず、すべての事業での労働者に適用されます。

    また、最低賃金は全国一律ではなく、47都道府県ごとの基準のため注意してください。
     

    求人を探す際には、自分が働く地域の最低賃金を確認しましょう。

    最新の情報は、厚生労働省の地域別最低賃金全国一覧から確認できます。

    たとえば、2021年の最低賃金は、北海道889円、東京都1,041円、神奈川県1,040円、沖縄県820円です。
     

    地域ごとの最低賃金は、その時代に合ったものにするため、毎年改定されています。

    バイトをする時期によっては、最低賃金が改定されていることもあるので、必ず最新の情報を確認してください。


     

    特定最低賃金

    特定産業に該当する場合は、地域別最低賃金と特定最低賃金のどちらか高いほうが適用されます。

    たとえば、鉄鋼業・電気機械器具製造業・船舶製造業・乳製品製造業などがあります。

    地域ごとに取り決めていることが多く、該当する業種もそれぞれ異なるため確認してください。
     

    特定産業は、地域別最低賃金よりも高い基準が必要だと考えられる場合に調査審議が行われ、認められれば特定最低賃金が適用されています。
     

    ただし、特定最低賃金は、業種が該当しても年齢・就業時期・業務内容によって適用されないことがあります。

    年齢は18歳未満と65歳以上で適用外です。業務内容は、技能習得中や簡単な作業の場合では適用されません。

    バイトで最低賃金が適用されない場合

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    基本的にすべての労働者に最低賃金が適用されますが、一部例外もあるため確認しておきましょう。

    バイト先の時給が地域別最低賃金以下になるのか、2つのパターンを用いて詳しく紹介していきます。


     

    最低賃金を減額するための特例許可制度

    地域別最低賃金を下回ることができるのは、使用者が都道府県労働局長の許可を得た場合のみです。

    最低賃金減額のための特例許可制度を利用することになります。
     

    制度を設ける理由は、通常の労働者と比べて著しく労働能力の低い人がいる場合に対応するためです。

    そのようなケースで同じ最低賃金を適用すると、雇用機会を狭める恐れがあります。

    そのため、以下のケースに該当する場合は許可を得たうえで、地域別最低賃金を下回る金額でも雇用できます。
     

    ・精神や身体障害により労働能力が低い

    ・試用期間中の場合

    ・認定職業訓練を受けている厚生労働省令で定める者

    ・簡単な作業に従事する者

    ・労働が断続的である者


     

    研修中は最低賃金以下に減給されるのか

    試用期間中や研修中の場合は、最低賃金以下となることがあります。

    ただし、事業者が特例許可を得ている場合に限ります。
     

    許可を得ている場合では、20%以内まで、また6か月以内まで減額可能です。

    研修期間中に最低賃金以下になるかは、求人に応募する際に確認しておきましょう。

    求人詳細欄に研修期間中の時給が記載されているはずです。記載がないときは、応募の際に直接事業者に確認してください。

    最低賃金の割り出し方

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    時給で表示されている場合は、そのままの賃金が最低賃金以上であるか比較できます。

    しかし、表示が日給や月給の場合は、計算を用いてください。

    さまざまなパターンによる計算方法を覚えておくといいでしょう。


     

    計算の際に含まれる項目と含まれない項目

    日給や月給の表示から時給を割り出す際には、まず計算の対象となるものを確認してください。

    計算に含めるのは、所定内給与に該当する毎月支払われる基本給と諸手当です。

    ただし、毎月支払われる諸手当でも、精皆勤手当・通勤手当・家族手当は対象外です。
     

    また、臨時で支払われる手当は対象となりません。

    たとえば、結婚手当・ボーナス・休日出勤手当・時間外勤務手当・深夜勤務手当などです。

    注意したいのは、所定外給与に該当する、通常の業務以外の労働に対する手当は含まれないということです。


     

    日給の場合

    日給の場合は、次の計算式に当てはめて時給を調べましょう。
     

    「日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)」
     

    一例として、日給6400円で労働時間が8時間のケースで考えてみます。

    「日給6400円÷8時間=時給800円」という計算結果です。

    時給800円は、地域別最低賃金より下回っているのかを調べてください。

    たとえば、2021年の地域別最低賃金で最も低いのは沖縄の820円のため、時給800円だと最低賃金以下だとわかります。
     

    また、働いている業種が特定最低賃金の適用を受けている場合は、その最低賃金で比較してください。


     

    月給の場合

    月給の場合も、日額の計算方法と同様で、以下の計算式に当てはめてください。
     

    「月給÷1か月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額) 」
     

    一例として、月給18万円で平均所定労働時間が160時間だとしましょう。

    まずは月給に基本給・職能給・通勤手当が含まれているか確認してください。

    通勤手当は時給を割り出す項目に該当しないため、月給18万円から通勤手当5,000円を引いて計算することとします。
     

    計算式に当てはめると「月給17万5,000円÷160時間=時給1,093円」です。

    日給と同様に、地域別最低賃金または特定最低賃金と比較します。

    たとえば、2021年の地域別最低賃金で最も低い沖縄820円と比べると、時給1,090円は上回っていることになります。


     

    出来高制の場合

    請負制の場合は、出来高払いの賃金として比較しましょう。

    出来高払いの賃金を総労働時間数で割ると、時給換算となります。

    日給や月給の場合と同様に、地域別最低賃金や特定最低賃金と比較して、時給が下回っていないか計算してください。
     

    一例として、月に出来高払いの賃金が15万円で、総労働時間数が150時間だったとしましょう。

    計算では「賃金15万円÷150時間=時給1,000円」となります。

    たとえば、2021年の地域別最低賃金で最も低い沖縄820円と比較すると、時給1,000円は下回っていないことがわかります。


     

    固定給+出来高制の場合

    タクシー運転手などでは、固定給と出来高制の合算のケースがあります。

    その場合は、それぞれの支払額を平均労働時間で割って計算してください。
     

    一例として、タクシー運転手の固定給が月額12万円、歩合給が5万円、平均労働時間が170時間だった場合で計算してみます。

    ただし、固定給に精皆勤手当・通勤手当・家族手当が含まれる場合は除いてください。
     

    計算では、「(固定給12万円+歩合給5万円)÷170時間=時給1,000円」になりました。

    地域別最低賃金で比較すると、たとえば2021年地域別最低賃金で最も低い沖縄820円と比べて、時給1,000円は下回っていないことになります。

    ただし地域が東京になれば、2021年の最低賃金は1,041円のため、時給1,000円は最低賃金以下です。

    もし自分のバイトの時給が最低賃金以下だった場合

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    紹介した計算式に当てはめて自分のバイトの時給を調べてみると、最低賃金以下のケースがあるでしょう。

    この場合は契約自体が無効となります。具体的にどのように対処していけばいいのか、以下の項目で詳しく紹介していきます。


     

    最低賃金より低い時給は違法

    バイト先の時給が地域別最低賃金より低い場合は、違法です。

    最低賃金法により、使用者は50万円以下の罰金が科せられます。

    また、特定最低賃金よりも低いときは、労働基準法により使用者は30万円以下の罰金が科せられるため注意が必要です。
     

    バイト先の時給が最低賃金より低いときは、差額を支払うよう使用者に求めましょう。

    最低賃金は毎年10月に改訂されますが、古いままの基準となっているケースもあります。

    使用者が確認し忘れている場合もあるため、まずは話し合ってみてください。
     

    注意したいのは、給与明細書を発行してくれないケースです。

    給与明細書がなければ、働いている人が時給を計算することができません。

    使用者が意図的に時給を誤魔化している場合があります。


     

    取り合ってもらえない時などの相談場所

    バイト先の時給が最低賃金より低いことがわかったら、まずは使用者に伝えてください。

    最低賃金を下回っていることを伝えても改善しない場合は、法に違反しており使用者に罰則があることも伝えましょう。
     

    ただし、バイトやパートの立場だと、使用者から話を聞いてもらえないこともあります。

    または、自分が相手に伝えられる雰囲気ではないと感じたときも、専門機関への相談がおすすめです。
     

    相談先は、自治体の労働相談窓口や労働相談センターです。

    相談することでどのように対処したらいいのかアドバイスが受けられるでしょう。

    それでも改善できないときは、労働基準監督署への相談がおすすめです。

    地域別最低賃金の改定はいつ?

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    地域別最低賃金の改定は、地域ごとに多少異なります。

    2021年の場合では、7月14日に最低賃金の引き上げ額の目安と10月以降の引き上げがあることが発表されました。

    その後、10月に最低賃金が引き上げられています。
     

    例年通りであれば、毎年10月に最低賃金改定がされます。

    事前に改定の発表があれば、そのまま10月には引き上げられることが多いでしょう。
     

    ただし、最低賃金は毎年必ず上がるとは限りません。

    逆に最低賃金が下がることもあります。

    自分の時給が最低賃金ギリギリの場合は、とくに注意して改定を確認しておきましょう。


     

    毎年最低賃金を確認し適正な賃金でバイトをしよう

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    バイトをしようと考えているなら、最低賃金を確認しておいてください。

    最低賃金の確認は毎年必要なため、忘れないようにしましょう。

    もしすでに働いているバイト先で最低賃金を下回っているときは、専門機関への相談を検討してください。

    最低賃金より低いときは泣き寝入りせずに、きちんと対応することが大切です。

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